富士山の麓に漂う富士五湖の本栖湖、西湖、河口湖、精進湖、山中湖は、元は「せの海」という一つの湖だった。貞観6(864)年の富士山大噴火。溶岩が青木ヶ原樹海のもととなる溶岩原を造り、「せの海」を埋めた。流れ込む河もないのに五湖が満たされる不思議は、富士山の伏流水による。まさにこの国の真水、甦る若水である。
山梨県
TEL:0555-21-1000(ふじよしだ観光振興サービス)
縄文人の宇宙観を表しているとも言われる不思議な世界を表現する。 眼が奪われる装飾の上部、口縁部分。その下部の渦巻き状で装飾、口縁に平行に線を引く隆起線紋(リュウキセンモン)と、道具で線を彫る沈線紋(チンセンモン)という胴部の縦線。頭でっかちで不安定に見えるが不思議なバランス、積み重ねる技がそれを生み出す。
3005年前縄文時代の水蒸気爆発と火砕流が山崩れし、鍋状の窪みをつくり水が湧き、特別な芦ノ湖の景観が生まれた。だから芦ノ湖は雨水が溜まったカルデラ湖ではなく、水源の大部分が湖底からの湧き水である。ここに神話の謂れがある。箱根関所、元箱根、湖尻、箱根園を定期航路で結ぶ遊覧船。富士も太古も遠望できる。
〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根
TEL:0460-83-6351(芦ノ湖遊覧船箱根営業所)
司馬が求めた「この国のかたち」には、答えはなかった。しかし日本の見方はとりわけ神道的なものを重視し、これを「真水」とみなす。それは教義などはもっていないで、本居宣長ふうにいえば、日本の神奈備が真水なのである。若返る若水を何度ものめるところ。
司馬遼太郎 文春文庫
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