宇佐神宮は全国四万余社と称する八幡宮総本宮。朝廷、皇室の勅使・宇佐使からの幣帛を捧げる本殿は、2棟の建物を前後に繋いだ八幡造。八幡神は初めて仏教と融合した神で、境内に神宮寺・弥勒寺が建ち、神仏習合のメッカとして栄えた。弥勒寺が明治時代に廃寺となった後も、神仏習合にゆかりの 承元3(1209)年の記銘がある国宝・孔雀文磬がその歴史を伝える。
〒872-0102 大分県宇佐市南宇佐2859 宇佐神宮庁
TEL:0978-37-0001
扇の形の紙を冊子にし、法華経の守護神を平安貴族女性の姿にし、貴族や庶民の暮らしを描く。法華経10巻などを書き写す当作品は、この時代に慈しみ楽しまれた紙扇の絵の様式を伝える唯一の遺品。 雁皮(ガンピ)を原料として、光沢があ理、滑らかな上質の鳥の子紙(トリノコガミ)に、雲母(ウンモ、キラ)の粉を、地塗りして、薄く延ばした金・銀の切箔(キリハク)を散らす。月夜に、絵柄を透かして煌(キラメ)く。
石清水八幡宮は、伊勢神宮につづく国家第2の宗廟で、三座の神を八幡大神と称する。そして八幡大神の神の使いは、鳩。現在の本殿は、寛永11(1635)年徳川三代将軍家光の造営による桧皮葺き。前後二棟からなる「八幡造り」様式。丹漆塗り、随所に極彩色の彫刻が刻まれる。桃山を経て近世建築の粋をあつめる壮麗な社殿。
〒614-8588 京都府八幡市八幡高坊30
TEL:075-981-3001
鎌倉からの中世を、密教を中心に神道的なものも含め、寺社体制を組み入れ、宗教の世俗化を促進させたと本書は読み解く。武士が中心となってリアリズムを求めただけでないと。法皇、八幡宮、神宮、中国・唐から舶来した知識やシステムを選択し、神と結びつけ仏教を広め、古代からの王法と仏法をかさね構築する日本が見える。
黒田俊雄 法藏館
Tags : 国宝大分県宇佐神宮弥勒寺
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