当寺は、近畿地方以外に所在する数少ない平安建築のひとつである。神仏習合が宇佐神宮から始まり、国東半島に広がる。熊野磨崖仏は山岳修行の寺で造られ、当寺は荘園地に造られた里の寺。国東六郷満山「本山八ヵ寺」の面影を伝える隣接する真木大堂に収められた9体の仏像とともに、平安仏教美術の豊かさを示す。
〒879-0841 大分県豊後高田市大字蕗2395
TEL:0978-26-3189
扇の形の紙を冊子にし、法華経の守護神を平安貴族女性の姿にし、貴族や庶民の暮らしを描く。法華経10巻などを書き写す当作品は、この時代に慈しみ楽しまれた紙扇の絵の様式を伝える唯一の遺品。 雁皮(ガンピ)を原料として、光沢があ理、滑らかな上質の鳥の子紙(トリノコガミ)に、雲母(ウンモ、キラ)の粉を、地塗りして、薄く延ばした金・銀の切箔(キリハク)を散らす。月夜に、絵柄を透かして煌(キラメ)く。
石清水八幡宮は、伊勢神宮につづく国家第2の宗廟で、三座の神を八幡大神と称する。そして八幡大神の神の使いは、鳩。現在の本殿は、寛永11(1635)年徳川三代将軍家光の造営による桧皮葺き。前後二棟からなる「八幡造り」様式。丹漆塗り、随所に極彩色の彫刻が刻まれる。桃山を経て近世建築の粋をあつめる壮麗な社殿。
〒614-8588 京都府八幡市八幡高坊30
TEL:075-981-3001
平安時代、関白頼忠の子の藤原公任が娘の結婚の引出物として編集したアンソロジー。漢詩は適宜、朗詠しやすいような詩句だけ抽出し、白楽天や菅原道真が多く選ばれ、和歌では紀貫之など紫式部好みが選ばれる。和漢を並列し、王朝感覚をわかりやすく伝える。
川口久雄 訳 講談社学術文庫
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