当寺は、創建が500年前とも云われる古刹で、秋田33観音霊場。桜並木の長い参道がまっすぐ山門、鐘楼門、本堂と続き第一番札所にふさわしく落ち着いた風情。本尊・聖観音立像は、創建時に奈良の長谷寺から譲り受けた奈良時代の作と伝わる。金銅仏としては東北最古級、奈良・初瀬小国の観音信仰がこの地まで伝えられていた証。
〒013-0051 秋田県横手市大屋新町字鬼嵐117
TEL:0182-33-5723
フタエにあどけない童子の姿。唇はごくわずかに朱色。右手で胸に垂らす飾を押え、左手で天衣をとり、端正に直立する。装身具や衣、台座の縁を特殊な彫刻刀(タガネ)で、丁寧に、丁寧に2個1組の小さな点が並ぶ複連点(フクレンテン)の文様を打ち出す。そうして気品が、醸し出された。—台座の枠、かまちに線刻した各狭間の内部には、墨を塗った痕跡もある。
多賀城市は古墳時代、東北鉄器生産の先進地で、出土の土器・石器から北海道を含む北方との交流が認められる地。7世紀後半成立の陸奥国の国府が置かれ、8世紀初め多賀城が造営。その際附属寺院も建立され、「観音寺」と墨書の10世紀の土器が出土し、多賀城廃寺名称の手がかりとなる。この土器は、仏教儀式に灯明皿に使用されたと思われる。
〒985-0873 宮城県多賀城市中央2-27-1
TEL:022-368-0134
“仏教を広めるためには、神の助けを必要としたのではないだろうか。日本の神を経糸に、仏教を横糸にして織り上げたのが、いわゆる本地垂迹説。日本の自然が私に、そういうことを物語る。”吉野から美濃にひそむ邑沌が滲み出し、存分の気分になる本である。
白洲正子 講談社文芸文庫
Tags : 東北正伝寺秋田県長谷寺
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