綾部は古代から文化が根付く地。足利尊氏は綾部の上杉荘生まれ。産屋の跡や産湯の井戸が残される当寺は、南北朝の争乱に殉じた人々の霊を供養する安国寺利生塔の筆頭である。本尊の釈迦三尊坐像、玉眼で品位高く、その中尊の端正な表情は鎌倉時代の特性。暦応4(1341)年、円派の仏師豪円により刻まれた傑作である。
〒623-0104 京都府綾部市安国寺町寺ノ段1
TEL:0773-44-1565
京都・曼殊院に伝来の「秋景山水図」「冬景山水図」。もとは、四季山水図4幅があり、その内の2幅であった可能性がある。 細い線で簡略化した、岩や山の表現。安定感のある構図に力強い筆使い。 「秋景」は山や建物を下に集め、広がる空間は上に、 「冬景」は岩や山を上に反時計周りの螺旋状、画面空間に意図的に奥行きを作る。 古典的な描写法を捉われずに組み合わせて、たどり着けないほどに、美を造形する。
禅宗寺院の法堂は、住持が仏法の要諦を説く最重要伽藍。当寺の法堂は、1605(慶長10)年豊臣秀頼建立最古・最大の法堂建築。1788(天明8)年の大火で法堂を守った天井に描かれる仏法守護八神の「鳴き龍」。堂内中央で手を叩くと、床と天井面の仕組みでカラカラ音が返る。狩野永徳長男で知的で静謐な光信の筆。
〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入
TEL:075-231-0301
鎌倉幕府が朝廷の力を削ぐために皇位交代制の「両統迭立」を敷く中、地域では悪政や飢饉や災害、蒙古襲来で、徳政を求めて民衆が立ち上がる。結果、後醍醐天皇が朱子学を和学化した「王土王民思想」で、あたらしい親政で倒幕を目指し、足利氏は執権政治にかわるあたらしい幕府を目指し、本書が語る南北朝の動乱がはじまる。
村井章介編 吉川弘文堂
Tags : 京都府安国寺鎌倉
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