紫式部作「源氏物語」では、光源氏の屋敷「浜の館」が無量光寺だと伝わる。かつてはアシや竹が生い茂り、大薮と呼ばれた。人もあまり通らず寺の土塀が連なり竹に蔦が絡まりあう。山門前「蔦の細道」は、光源氏が明石の上の住む「岡部の館」へ通った道。山門は名工・左甚五郎作の彫刻が施され、山門左手に源氏稲荷が祀られる。
〒673-0897 兵庫県明石市大観町10-11
TEL:078-912-8839
醍醐天皇(885-930)の命により編纂された古今和歌集。巻物の一部を切り、掛軸などに仕立て直すのが、断簡、切。その古今和歌集の最古の写本で、平安時代から名筆、古筆切(コヒツギレ)の代表作品。 洗練された美しいかな文字のつながり続くさま、連綿が見事で、切れ味の鋭い筆の線を駆使して、明るく流動する美を造形。この、しとかでうるわしい、優麗典雅(ユウレイテンガ)な書風は、平安貴族が、書道の手本とする。 もとは20巻を揃え6人の合作、寄合書(ヨリアイガキ)と考えられる「高野切」の名は、豊臣秀吉が高野山の僧、木食応其(モクジキオウゴ 1536-1608)に、その断簡を与えたことに因んでいる。
当寺の総本堂、根本中堂には最澄上人自作の薬師瑠璃光如来が祀られ、御本尊に献じる灯りは、1200年間絶やさず菜種油を注ぎ「不滅の法灯」として護り継がれる。根本中堂から文殊楼を上り下り、延暦寺会館から急な坂道を5分ほど下ると法然堂。皇円阿闍梨のもとで鎌倉新仏教の魁、法然上人が得度した功徳院のあった旧跡。
〒520-0116 滋賀県大津市坂本本町4220
TEL:077-578-0521
時代は「悟りの仏教」から「救いの仏教」へ。そのことを突き詰めて、仏教を「編集」しなおして、断固として専修念仏を「選択」した法然には、きっと「情報」の足し算と「本質」の引き算が同時にできる才能があった。松岡正剛が法然を編集の視点で読み解く。
松岡正剛 NHK出版
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