加賀藩前田家筆頭家老本多家屋敷跡に建つ当館では、加賀百万石の深みを伝える。藩茶頭を目指し、飛騨高山藩嫡子だった茶人・作庭家の金森宗和は、加賀藩に轆轤(ろくろ)の名人京焼色絵の野々村仁清を紹介。その均一な薄さに挽きあげられる京焼色絵は、加賀の陶磁器工芸に受け継がれる。その極致の美が当館で展示紹介される。
〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
TEL:076-231-7580
立原杏所(1786~1847)は水戸藩の藩士で、また絵師ではない人が描く文人画の南画家。父は、水戸藩の修史局、彰考館(ショウコウカン)艦の総裁をつとめ、黄門さまの徳川光圀(1628-1701)の遺命である『大日本史』の編纂に尽力した、立原翠軒(スイケン 1744-1823)。 杏所の画のスタイルは謹直で穏やかなのだが、酔いにまかせ描くこの作品は、大胆で奔放。フラットで温暖な中国・江南の風土から生まれた、とらわれることなく自然の風情を描く画が、南画。
比叡山麓の田園広がる小さな盆地、大原は古より都の貴人たちが極楽往生を求めた隠棲の里。当院は、代々親王が住職の門跡寺院。境内に敷き詰めた毛氈の様な青苔と、四季折々の風情が生滅滅己、寂滅為楽の境地へ誘う。戦国武将の子にして茶人、金森宗和による2つの庭は、「姫宗和」の茶風に違わず柔らかき優美さに限りなし。
〒601-1242 京都市左京区大原来迎院町540
TEL:075-744-2531
江戸時代初期、慶長文化につづく寛永文化。沢庵、柳生宗矩、宮本武蔵、本阿弥光悦、千宗旦、小堀遠州、金森宗和。多々の才能が集う当時のサロンで、新たな型が確立される。頂点は後鳥羽院以来の和歌好きの後水尾院のサロン。やがて壮大と細心を独創的に構成する修学院離宮に結実。本書は、雅なかぶきものの遊芸文化を語る。
熊倉功夫 朝日新聞社
Tags : 石川県石川県立美術館美術館
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