当寺は七尾畠山文化の黄金時代を築く茶の湯の祖、円山梅雪が創始の法華寺。畠山一族で文明3(1471)年に京都・円山に生まれた梅雪は、和歌、連歌、古典に通じ、陶器、能、書、庭に明るい。妻は法華宗で酒造・金融を営む京都有力町衆柳家の娘で、揃って京・堺の文物・人を七尾に橋渡す。円山一族の支援で等伯も京で活躍。
〒926-0852 石川県七尾市小島町リ-134
TEL:0767-53-0799
草稿ともいわれて、粗いソクヒツ(速)筆で大胆に描く、閑静で奥深い表現。モヤに包まれ見え隠れする松林に、何気ない風情。 故郷の石川・七尾の海岸とも重なる、息子久蔵(1568-1593)と死別した頃の作品。 等伯(1539-1610)は、師と考え模範として、私淑(シシュク)したのは、中国・南宋、13世紀後半の画僧牧谿(モッケイ)。 自然に忠実たろうとするそのスタイルが、日本で反映された貴重な作品。 近世水墨画の最高傑作。
当図は、等伯28~31歳頃制作と推定。空海の請雨修法で現れたと伝わる仏を、頭頂部に蛇を金色の龍に換え、右手に三鈷杵の剣、左手に如意宝珠を持つ女形童子に描く。等伯の生地七尾は、古代国府・国分寺が置かれ、中・近世都の畠山文化と北前船の町衆文化がかさなる。また朝鮮の渡来神を祀る熊甲神社「お熊甲祭」がある。
〒926-0855 石川県七尾市小丸山台1-1
TEL:0767-53-1500
「眼に見える言葉が書ならば、手に抱ける言葉が茶碗なのである」。本書は、伝説の陶器鑑賞家、美の世界の批評家の著者代表的評論「眼の引越し」の他、独特の芸術論、陶芸・絵画論に加え草稿「利休伝ノート」を収録。著者の口癖、「日本の文化を生きている」とは、日々使い、そばに置くモノこそ、自分自身だと意識すること。
青山二郎 講談社文芸文庫
Tags : 本行寺石川県
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