奥の細道は大垣までの日記。芭蕉が4回にもわたり訪れた大垣の船町港は、運河「水門川」の河港で江戸時代から明治時代にかけて大垣城下と伊勢を結び、物資と人を運ぶ。船町港の住吉灯台は江戸時代元禄期に造られた。芭蕉の旅の終点は、つねに風狂の覚悟の地と意識していた伊勢だった。その伊勢への旅を憧憬する灯りはいまも健在である。
〒503-0923 岐阜県大垣市船町
TEL:0584-77-1535 (大垣市観光協会)
名高い俳人、与謝蕪村(1716-83)。日本南画—プロの絵師ではない人が描く、文人画を、中国の明、清時代の絵画を学び、独学で描く。 そして池大雅(イケノタイガ 1723-1776)とともに日本南画を大成。 世俗を離れ、気高い生き様をテーマを、日常的な所作や様子で描く。心にさっと、風が吹く。—高踏的を日常的に。
長野県千曲市姨捨は、古今和歌集に月の名所と詠われる。また近世狂言本には、春、水を引いた斜面の棚田一枚一枚に月影が映ると描かれる。広重もその記述を描く。しかし月はひとつしか出ないので、時間経過をあらわす情景とも、また幽玄さをあらわすとも受け取れる。千曲川に沿う姨捨は寒暖差から霞立つ、風狂の美の芭蕉も訪ねた地。
〒509-7201 岐阜県恵那市大井町176-1
TEL:0573-20-0522
本書は日本の古典的日記を紹介する。世界中でこれほど日記にひとの内実をかけている民族はいないという著者の考え。そして「奥の細道」の芭蕉にしても目新しいことを求めてはいない。古人が求めるものをひたすらに辿り求めたい、という「風雅の直・すぐなる交わひ」があると。それがまた「本歌取り」の技法のもとになると。
ドナルド・キーン 講談社学術文庫
Tags : 岐阜県東北船町港跡運河
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