当美術館は、源平合戦終結の地、明治維新発祥の地として名高い関門海峡の東端に立つ。紹介される狩野芳崖は幕末長府藩御用絵師を務めた。柏の木の上から手長猿がその長い手をいっぱいに指し伸ばし、先の蜂を捕らえようとする「枯木猿猴図」。室町時代の雪舟、桃山時代の長谷川等伯、中国南宋の禅僧牧谿の猿図を受け継ぐ。
〒752-0986 山口県下関市 長府黒門東町1-1
TEL:083-245-4131
京都・曼殊院に伝来の「秋景山水図」「冬景山水図」。もとは、四季山水図4幅があり、その内の2幅であった可能性がある。 細い線で簡略化した、岩や山の表現。安定感のある構図に力強い筆使い。 「秋景」は山や建物を下に集め、広がる空間は上に、 「冬景」は岩や山を上に反時計周りの螺旋状、画面空間に意図的に奥行きを作る。 古典的な描写法を捉われずに組み合わせて、たどり着けないほどに、美を造形する。
禅宗寺院の法堂は、住持が仏法の要諦を説く最重要伽藍。当寺の法堂は、1605(慶長10)年豊臣秀頼建立最古・最大の法堂建築。1788(天明8)年の大火で法堂を守った天井に描かれる仏法守護八神の「鳴き龍」。堂内中央で手を叩くと、床と天井面の仕組みでカラカラ音が返る。狩野永徳長男で知的で静謐な光信の筆。
〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入
TEL:075-231-0301
限りない願望と限りある無常が交差する鎌倉末から南北朝期、卜部氏の流れの神職の家に生まれ、仏教修行し、和歌に精進した兼好。「人のけしきも夜のほかげぞ、よきはよく」、「にほひもものの音も、ただ夜ぞひときわめでたき」、「まどひの上に酔へり、酔の中に夢をなす」。所在なくつれづれに、願望と無常の境を説明する。
吉田兼好 岩波文庫
Tags : 下関市立美術館山口県美術館
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