当寺は、室町時代、益田宗兼が建立した崇観寺境内にあったが、塔頭の当寺だけが残る。竜宮造の総門は、黄檗宗寺院特有で、境内庭園は、雪舟の築庭である。文明11(1479)年前後、周防(山口県)の 雲谷庵を出た雪舟は、崇観寺で第5世の住職となる。 背後の山と融合して四季折々に異なった趣を表す庭園である。
〒698-0011 島根県益田市染羽町4-29
TEL:0856-22-1668
京都・曼殊院に伝来の「秋景山水図」「冬景山水図」。もとは、四季山水図4幅があり、その内の2幅であった可能性がある。 細い線で簡略化した、岩や山の表現。安定感のある構図に力強い筆使い。 「秋景」は山や建物を下に集め、広がる空間は上に、 「冬景」は岩や山を上に反時計周りの螺旋状、画面空間に意図的に奥行きを作る。 古典的な描写法を捉われずに組み合わせて、たどり着けないほどに、美を造形する。
禅宗寺院の法堂は、住持が仏法の要諦を説く最重要伽藍。当寺の法堂は、1605(慶長10)年豊臣秀頼建立最古・最大の法堂建築。1788(天明8)年の大火で法堂を守った天井に描かれる仏法守護八神の「鳴き龍」。堂内中央で手を叩くと、床と天井面の仕組みでカラカラ音が返る。狩野永徳長男で知的で静謐な光信の筆。
〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入
TEL:075-231-0301
本書紹介の室町幕府のアートディレクター同朋衆は、踊り念仏の時宗に起源する。当時、村落社会の宮座、信仰社会の念仏結社や別所、武家社会の会所で、「寄合の遊芸」が発展し、また兼好法師や鴨長明などの「評価」が貴族や武家に広がる。結果評価される幕府の月例行事を、遊芸に通じる時宗出身者が担い武家文化が育つと語る。
村井康彦 三一書房
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