当茶室は、宍道湖北畔に松江城がそびえ天守閣を望む高台に佇む。茶道を通じて芸術文化の発展の基礎を築いた松江藩7代藩主松平不昧ゆかりの古庵である。その借景は松江城で、その景観はいにしえのよろずの神々が訪れるがごとくの余白とする。不昧の茶室内の引き算の美は、室外に遠大に転換するうつろいの美をまた準備する。
〒690-0888 島根県松江市北堀町278
TEL:0852-21-9863
半筒形の茶碗は天正年間(1573-1592)後半に流行する。 柔らかいモグサの土を使い、真円でなく、高低がつく茶碗の口縁、少し張りのある胴。胴を載せる台、高台(コウダイ)の裏側は、粘土を貼り付けた無雑作な、シイタケの裏のような表現の椎茸高台。 鉄を含む鉱物を砕き塗り、筆で絵を描き、白いユウヤクをかけて焼く。 白い茶碗に、鮮やかな緋色(ヒイロ)の鉄絵。 温もりと振動のイマジネーション。
ふっくらとした下膨れの胴に、口まわりをしぼり端反りの口造り砂金袋の形。鉄釉を基調に縦横無尽に掛けられた褐色釉が文様を作る。端正な姿、施釉の自然な表情。土屋家は七代藩主松平不昧の御用窯として雲善の号と印を授かる。宍道湖湖畔に建つ島根県立美術館は水との調和をテーマに、不昧の指導で育まれた茶道具も展示。
〒690-0049 島根県松江市袖師町1-5
TEL:0852-55-4700
引き算の美とは?“そういう表現の傾向は、応仁の乱をはさんで日本に少しずつ広まっていた。それが枯山水の試みとか、能の省略法とか、村田珠光の侘茶の発見にも及んでいたんですね”侘び寂びアバンギャルド。日本美術の見方が一変する衝撃の日本論 第4段。
松岡正剛 春秋社
Tags : 島根県明々庵茶室
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