太平洋に突き出た足摺岬の断崖には、大正3年点灯以来、航海安全を見守る白亜の灯台が建つ。中世期、この岬は観音菩薩が住む南海の補陀洛山に通じる東門の地と信仰された。空海はこの岬に嵯峨天皇筆「補陀洛東門」勅額を賜り金剛福寺を開創したという。その眺め、東アジアの生命と意識の潮流が北上する空海の夢にもかさなる。
〒787-0315 高知県土佐清水市足摺岬
TEL:0880-82-3155 (土佐清水市観光協会)
密教(ミッキョウ、秘密仏教)儀式の仏具で、大いなる存在を、目覚めさせ、喜ばすための鈴。 神秘的な渦巻きの文様はじめ、いつくもの帯状の文様が側面をめぐる。知恵の世界、金剛界と慈悲の世界、胎蔵界のそれぞれ四仏の仏を象徴する神聖なる文字、インドの梵字(ボンジ)をあわわす種子(シュジ)が、花の優雅な文様を伴い現れる。 優美な姿と豊かで精緻な装飾が調和。高い格調を造形する。
空海は「56億7千万年後に必ず戻る」と言い、承和2( 835)年62歳で入定。今も空海が眠る当院一の橋から御廟まで約2kmの参道は、穏やかな空気に満ちる。遣唐使船で渡海し、密教奥義を授かり、標高800mの高野山を八葉蓮華と見なし曼荼羅世界を築いた、東アジアを北上した空海の生命と意識の潮流も感じる。
〒648-0294 和歌山県伊都郡高野町高野山132
TEL:0736-56-2011(代)
仏教の要訣とは、せんじつめればいかに意識をコントロールできるかという点にかかっている。仏教と密教の流れをアジアの流れに組み込み、生命の流れと意識の流れを刳り貫いて、それらの流れの重なりを空海自身の夢と描く、日本史に残すべき松岡正剛の渾身作。
松岡正剛まつおかせいごう 春秋社
Tags : 足摺岬灯台高知県
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