その円満な表情と優美な佇まいは、平安後期の貴族的な仏像彫刻を代表する。阿弥陀如来像は典型的な定朝様で、12世紀前半の作とされ、両脇侍像も阿弥陀像とともに一具であると伝わる。金色堂に向かう参道月見坂を散策すると、小さなお堂の仏様、四季折々の桜、中尊寺ハス、菊、紅葉、そして雪景色もすべてが穏やかな平安朝。
〒029-4195 岩手県西磐井郡平泉町字衣関202
TEL:0191-46-2211
世界遺産法隆寺は、大和平野を見渡す斑鳩の宮(イカルガノミヤ)に接して、聖徳太子によって607年頃に創建。その後火災にあい、復興されたのが世界最古の木造建築群として知られる現在の西院伽藍。また斑鳩宮跡に、奈良時代に聖徳太子の菩提を祀る夢殿が建立され、夢殿を中心とした建築群が現在の東院伽藍。 西院と東院の伽藍をつなぐ参道に続く土塀。中国・万里の長城にも使われた工法で作られた。板ではさんで間(マ)を作り、土を入れ押し固め、繰り返し何層も積み上げる、ミルフィーユのように。 技と手間のが、時空を超える造形を作り、世界遺産となる。
多賀城廃寺跡隣接の東北を代表する歴史博物館。所蔵の当復元模造は、芭蕉が蛍火の昼は消えつつ柱かなと詠んだ金色堂の柱。白く光る夜光貝の細工(螺鈿)、長押にいたるまで、透かし彫りの金具・漆の蒔絵など、有機的に一体になった平安時代後期の工芸技術を紹介。平泉と中尊寺の中国・風水思想と浄土思想の重なりも伝える。
〒985-0862 宮城県多賀市高崎1-22-1
TEL:022-368-0101
平泉藤原氏は、平泉の地に柳の御所の「北の都」と無量光院や毛越寺や中尊寺の「北方の浄土」を築く。平泉は都の京を模倣しながらも独創的だった。都には、末法思想により念仏結社や浄土庭園があったが、戦いの犠牲となった敵も味方も、獣・鳥・魚・貝などもひとしく鎮魂し、極楽浄土に導かれることを願う大きさはなかった。
工藤雅樹 無明舎出版
Tags : 中尊寺岩手県
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